せつのなんでもない日常。

気まぐれなつぶやき

魚は私のことを認識しているらしい

2年半くらい前から海水魚を6匹ほど育てている。

 

突発的に夫が水槽を買ってきたのが事の発端だったのだが、半年もしないうちにお世話係は私になっていた。

 

元々、魚を飼った経験はほとんどなく、ネットやら本やら、アクアリウム系の動画を見てお世話の仕方や掃除の方法、手入れの仕方を日々学んだ。

 

それでもイレギュラーな事は多々起きた。

 

「水が白にごりした!」「魚のようすがおかしい」「餌の食いつきが悪くなった」と問題はさまざまだった。

 

本当に困ったときはアクアリウムショップの店員さんに相談しつつ、なんとか解決しながら水槽を立ち上げていき、最初は1つだった水槽が今では3つになった。

 

魚を観察していると、それぞれ性格も全然違うことに気づいた。

 

飄々と我関せず泳いでいる魚、ちょっとのことでオドオドしてしまう魚、ドンっと構えて強気な魚、周りを蹴散らすかのようにケンカっ早い魚。

 

そんないろいろな性格の子たちがいるので、飼っている数は6匹と少ないのだが、喧嘩しないようにストレスを溜めないように3つの水槽に分けているのだ。

 

飼うまではこんなに性格がそれぞれ違うとは思いもしなかった。

 

 

 

犬や猫は実家で飼っていたので、家族のように育ってきたのもあって、色んな性格の子が居るのは知っていたが、魚も色んな性格の子が居て面白いなと思う。

 

 

いつもお世話しているのは私なのだけれど、魚は人間のことを認識してくれているのか疑問だった。

 

餌の合図はライトを点灯して決まった場所に入れるようにしていたので、1週間もすれば魚たちも覚えてくれた。

 

「鱗は大丈夫かな?しっかり食べているかな?呼吸はどうかな?」と毎日観察がてらぼーっと水槽を眺めていると、いつからかそばに寄ってきてくれるようになった。

 

私が近づいていないときは、悠々自適に皆泳いでいるが、私が水槽に近寄るとこちらにすーっと寄ってきたり、「お待たせー餌の時間だよー」と話かけながら近づくとライトがつく前にこちらに寄ってきて、カエルウオはジャンプしてアピールするようになったし、シマスズメダイもガラス越しにフリフリと軽快に泳いでいる。

 

 

たまたま、5日間ほど家を空けることがあったので、魚のお世話を他の家族に頼んだことがあった。

 

家族に話を聞くと餌をあげても見向きもしない子もいたり、食いつきが悪い日もあったのか、餌が沈殿していた。

 

帰宅してすぐに水槽のお手入れをして、水槽を綺麗にしてから「ごめんねー餌入れるよー」と入れると、皆バクバクと餌を食べてくれていた。

 

シマスズメダイに至っては「なんでいなかったんだ!」と言わんばかりに、水槽のガラス越しに私が指をちょんと近づけたときに噛みつくそぶりをした。

 

噛みつくそぶりをしたのはその日だけだったので、やっぱり水も汚れてしまっていたし、怒っていたんだろうと思う。

 

他の家族が近づいてもあまり寄ってきたりしないのだが、私が近づくと「餌くれ!」というアピールもすごいし、忙しすぎて餌の時間を過ぎてしまった時は、水面をペチペチ鳴らすような魚もいる。

 

一応、魚は私のことを「餌くれる人」と認識してくれているらしい。

 

いつも黒い服を着ているのもあってか、ぼんやり「黒いのが来たな」と思って寄ってきてくれるのか、それとも本当に顔を認識してくれているのか謎だけれども、意志の疎通の難しい生き物ほど、何かしら反応してくれるのは本当に嬉しい。

 

 

ナチュラルに魚に話しかけてしまうので、ペットを飼ったことのない人からするとちょっと引かれることもある。

 

猫も犬も物心つく前からいたので、話しかけるのは当たり前だったため、違和感を感じずに大人になったのだが、どうやら他の人はあまり動物には話しかけないらしい。

 

動物のふれあいコーナーでもカンガルーに話しかけたり、カピバラに話しかけたりしていたのだが、不思議そうな目で見られていたのに後々気がついた。

 

赤ちゃん言葉で話しかけるのではなく、人間に話しかけるように言葉をかけているので、それで驚かれることがあった。

 

そんな私は今日も水槽に話かけつつお世話している。