せつのなんでもない日常。

気まぐれなつぶやき

分厚い遮光カーテンに遮られて。

記憶を遡って今年の5月くらいの話になるのだが、実家の大掃除をしていた時、実家のあまりに変わり果てている状況に驚いた。

 

私自身に猫アレルギーがあったため、猫の多頭飼いをしている実家に足を踏み入れたのは10年ぶりだった。

 

分厚い遮光カーテンが二重につけられていて、燦々とした日差しさえものともせず、薄暗いのが当たり前になっていた。

 

住んでいる当人が眩しいのが嫌なのか、人目が気になるからなのか、全くもって外からは中の様子が伺えなかった。

 

アレルギーを抑える薬を服用し、マスクを2重にした私が意を決して足を踏み入れて大掃除をすることになったのだが、とにかく実家の何処もかしこも薄暗かった。

 

空気はこもるし、埃はたまるし、湿気もひどいのだから、壁やら床やら色々と傷むのは仕方のない事だった。

 

「足の踏み場もない。いっそのこと土足で歩き回っても気づかれないな。」というほどの荒れっぷり。

 

 

 

家を片付け始めて、いかに空気の動きと日差しが必要なのかと言うのがよく分かった。

 

毎日生活しているはずなのに、あらゆる場所で時が止まっているかのように、いろいろなものが蓄積されているのだ。

 

手始めに、まずその光を遮っている分厚い遮光カーテンを全て取っ払った。

 

部屋のあらゆる窓を網戸にして、一気に家中に風を入れた。

 

埃は舞うし、部屋に染みついた臭いもあちらこちらでしていたが、ほぼ毎日のように2週間もの間、日差しを入れて網戸にして、一気に掃き掃除をして、布という布を片っ端から洗ってという行程を行ったら、一気に部屋の印象が変わった。

 

雑然と部屋が荒れているときは、窓を開けようが風を入れようが、なんだかぼんやり薄暗い印象だったのだが、片付いていくうちに部屋自体の印象が明るくなっていったのだ。

 

レースカーテンもとっぱらい、窓ガラスには磨りガラス調のシートを貼って、目隠しの代わりにした。

 

兎にも角にも壊れたものがあちらこちらに置いてあり、ボロボロに劣化した収納ケースも片っ端から片付けて、食器棚やソファーなどの大物家具もどうにかこうにか一人で外に運び出した。

 

不要なものがなくなり、すっきりとした部屋に太陽光と風を思いっきり入れると、ようやく私が知っていた実家の居間の雰囲気が戻ってきた。

 

初夏の暑さはあったものの、風の通りがよくなったので、そこまで暑さを気にせずに作業ができた。

 

連日、晴天に恵まれていたおかげもあって、部屋から湿気も少なくなり、日々見違えるように部屋の雰囲気が変わっていた。

 

空気の流れを毎日作ることで、澱んでいた空気もだいぶ解消された。

 

床も素人ながら下地をどうにかしつつ、YouTubeのリフォーム動画を参考に、フローリングシートを部屋一面に一気に敷いてみた。

 

動画も含め、インテリアの本やらミニマリストの本やら色々と読み漁ってきたが、ようやくその知識を発揮できた。

 

それに無心になって集中して作業に取り組むのは私自身いい気分転換にもなった。

 

色々と問題はまだ山積みなのだけれども、ひとまず、澱んだ空気と重苦しい部屋の暗さを解消できて良かった。